アコースティックギター製作記録 #06 (塗装・ペグ付け・音出しでトラブル発生)

自宅でアコースティックギターを作っています。その続きです。


ネックとボディの接着が終わり、次はネックのヒールキャップを取り付けます。キットのネックは少しヒールが短く、バック板と面一にならないため、端材のエボニーを糸鋸で切り取り、面一になるよう取り付けました。

一通り作業は終えたものの、拡大鏡で細部を確認すると、あちこちに傷や凹みがあります。せっかくネックが接合され、テンションも上がった気分でしたが、プロとの差を目の当たりにして少し気落ちしてしまいます(笑)。これらの傷や凹みは可能な限り修正してから塗装に入りますが、修正しきれない部分は塗装でカバーできることを祈るばかりです。

特にキットのネック材の接合部は、どこかでぶつけたのか隙間ができており、ここも修正が必要です。もう少し精度が高ければ助かったなと思います。


塗装について

今回は、以前使った残りのイエローシェラックとブロンズシェラック、さらに中国の通販で購入したガーネットシェラックと無色のシェラックを用意しました。参考書ではプロ仕様の調合塗料を使用していましたが詳細が書かれておらず、もう少し情報が欲しかったところです。

造りの精度で市販品に劣る自宅製ギターでも、塗装で差を出したいところ。厚く塗った市販品よりも、シェラックで薄く塗るほうがギターは良い音を出すはずです(経験則ですが)。

トップ板は白木のままでは見えなかった傷や凹みが、塗装を始めると浮き彫りになります。できる限り修正しますが、研磨にはサンダーを使ったほうが効率的です。ちょっとしたホコリが乗るだけで目立つため、トップ板の塗装は特に気を使います。塗れば塗るほど問題箇所が見つかり、修正を繰り返す必要が出てきます。最初から木材の状態が良ければもっと楽に作業できたのにと思わされます。

バック板のマホガニーは、木の粉をすり鉢で細かくし、シェラックでペースト状にして板に擦り込みます。マホガニーは導管が多いため、指で表面を触りながら凸凹なくペーストが入っていることを確認。偏りができた場合は、サンディングやアルコールで平滑にしてから塗装すれば、艶のある鏡面塗装が可能です。ちなみに多くの人はZpoxyというエポキシ剤を塗って導管を埋めるそうです。どうりでパミスが売ってないんですよね。

サイド板の第一層は非常に薄く、削りすぎると下の色が出てしまうため研磨には注意が必要です。導管はほとんどないため、表面を整えてシェラックを塗ると良い艶が出ます。

ツキ板は薄いローズウッドが貼ってありますが、シェラック塗装単独ではうまく仕上がらなかったため、サンディングシーラーを使いました。


ペグ取付けと試奏

ほぼ塗装が終わったところで、ペグの取り付けを行いました。ですが、ペグ取付用の小さなネジが柔らかすぎて穴がすぐに潰れてしまいます。また、ワッシャーも汎用のものを使っているようで幅が広すぎて見た目が悪く、幅の狭いワッシャーへ交換が必要です。

手持ちのナットとサドルを取り付けて弦を張り、試奏してみました。取付時はネック角度に問題はありませんでしたが、弦を張ると弦高が上がり始めます。弦の張力と指板の真直ぐになろうとする抵抗に耐え切れず、ネックヒールが上がって角度が変わってしまう状態です。ネックはボディに対して角度をつけているのでボディ上面と指板を接着するのとネックとボルトを締めるのとで指板が14F上でへの字に強制的に行うので力の反発が起こります。

ネックに取付けるボルト これが締まらない

参考書には「ボルトは締めすぎないように」とありますが、あまり締めなかったため、しっかり締めてみましたが締まりません。どこに原因があるかを考えた所ボルトの受けとなる埋め込みナットが空回りし、ボルトが効かない状態であると行き当たりました。結果として、接着されていない部分のネックが引っ張られるのは当然です。参考書の文章にはかかれてないものの、関係ないページでの小さな写真で接着剤を塗った跡の残るナットが写っているではありませんか。「ちゃんと言ってよ~」と作者にクレームを言いたくなるところです。この原因がわかるまで2回も取り付けたネックを外してみたのですから。おそらくここでつまずく人が多数でるのでは?
結局、ネックを外してナットをエポキシで固定するしかありません。また、ボルト一つで十分に締まるのかどうかも不安が残ります。弦を張る際には木材がギシギシきしみます。もう一つ追加すべきか?

ここでエポキシで固定する必要があった

ネックがジャンプ台のように逆にへの字に曲がってしまっているせいか、12フレット上の音も全体的にシャープになっていました。ブリッジ位置にも調整の余地がありそうです。一旦取り外して0.5mmほど後ろにずらすか?


完成前にさまざまなトラブルが重なり、「大失敗」という言葉が頭に浮かぶ状況ですが、果たして無事に完成できるのでしょうか。

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