アコースティックギター製作記録 #02 ─ バック板とサイド板の接着など

前回に続いて、アコースティックギターの自作作業を進めています。

今回はすでにサイド板が曲げ加工済みの状態からのスタート。まずはヘッドブロックとエンドブロックを接着し、サイド板を合わせました。曲げ加工は大変な工程ですが、最近は加工サービスもあるようで、自作のハードルをぐっと下げてくれそうです。今回はキットの合板サイド板を使用ですが、サウンドポートやコンター加工を施すので補強のいらない合板がベストかなと思います。


バック板とブレーシング

次にバック板のはぎ合わせとブレーシングの接着を行いました。D-18レプリカなので板はマホガニー単板を購入しました。マホガニーは今はアフリカンマホガニーしか流通してないみたいですね。
付属の図面にはブレーシングの配置が示されていますが、目指しているMartin D-18とは位置が異なるため、使用せず。D-18用の図面を等倍印刷して、それに合わせて接着しました。このとき印刷は左右反転が必要なので注意が必要です。キットはMartinよりもほんの少しスケールが長めになっています。

ラジアスディッシュも作ろうとしましたが、MDFが手に入らず合板を貼り合わせて挑戦したものの層が邪魔をして失敗。今回は断念しました。その代わり、ゴーバーデッキを合板と全ネジで自作し、テンションバーには竹を割って作った棒を使いました。コストを抑えつつも実用的です。

ラジアスディッシュ作成の治具は作ったものの板の選択を間違えました


接着とその工夫

接着作業では「圧力不足」が最大の敵。ライニングを貼る際、しっかり固定したつもりでも部分的に浮いてしまうことがあります。そんなときはタイトボンドを薄めて隙間に流し込み、再度クランプ。こうした手直しが意外と多いです。

また、ブレーシングがサイズオーバーのときはライニングやサイドを削って収める必要があります。ただし、ブレーシングの高さがありすぎるとバインディングでも隠れず、後で悲惨な結果に…。幸い途中で気が付いて事なきを得ましたが全体の流れを理解したうえで作業を進めることの大切さを痛感しました。


道具について

今回使用したのはノコギリとノミ。特にノミは木工では定番の道具ですが、購入したてのままでは使えず、自分で刃を研いで調整する必要があります。これは初心者にはかなり敷居が高い部分ですが最近は調整済みのものがネットで手に入るので助かりました

スプールクランプは数が必要ですが、説明書通りに治具を作るとコストが高くつきます。そこで参考書で紹介されていた「トラック荷台用のゴムバンド」を利用。1000円程度で入手でき、Fクランプと併用すれば十分でした。


サイドとバックの張り合わせ

接着の際は内部に光を当て、隙間がないかを確認しながら慎重に進めました。ウエスト部分のくびれはクランプで押さえ、外に広がらないようにL字金具で補強。接着後は余分なバック板を切り取り、のこやすりとサンドペーパーで仕上げました。特にのこやすりは気持ちよく削れるのでおすすめです。

貼り合わせて余分な部分を削ったところ

トップ板とロゼッタ

次にトップ板。位置を決めてサウンドホールを加工します。
指定は直径10cmでしたが少し小さく感じたため、4インチで設定しました。アリエクで買った定規はセンチ・インチ両対応で便利です。

一番悩んだのはロゼッタ。D-18では内外に0.8mm幅の黒パーフリングが入りますが、通常のトリマービットでは対応できません。CNCルーター用の0.8mmストレートビットが使えることが分かり、ミニルーター(プロクソン)ベースセットを導入しました。この機材の購入は本意では無かったのですがこれがないとどうしようもないですね。

中央部分は白黒9本のパーフリングを幅4mmで配置。こちらはトリマー用の4mmビットを使いました。事前に不要な板で練習し、本番も無事成功し前半一番の技術的懸念はクリア。ただ、溝を掘る際にベースが動いた跡が板にわずかに残るという課題は残りました。

溝を掘ったあとはパーフリング材を瞬間接着剤で固定。スポイトタイプを使うとスムーズに流し込めます。とりあえずここまでは計画通り進められました。

ロゼッタができました

次回はトップ板の接着と、その後の工程について記録していこうと思います。

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