自宅でアコースティックギターを製作しています。前回の続きです。
サウンドポートの加工
トップを接着する前に、サイド板にサウンドポートを作りました。一度実験してその効果がわかっていますので最初から開けます。
まずは紙テープで養生し、開けたい位置を鉛筆で書き込みます。その後、リューターで穴を開け、80番の紙やすりを筒状に丸めて切り口を整えました。リューターをつかって丁寧にやるとにきれいに仕上がりますね。
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| サウンドポートが完成 |
トップ板の厚み調整
次にトップ板の厚みを整えます。シックネスゲージで厚さを測りながら、ギターの音の方向性をイメージしました。
今回のトップ材はアディロンダックスプルースです。調べたところによると、この材は「板が厚めでもよく鳴る」「薄すぎると暴れてブーミーになる」という特性があるそうです。特に、倍音を抑え気味にして音の分離を良くしたい場合は、板を薄くしすぎず、ノンスキャロップドで育てていく方が良いとされていました。
ただし、今回のキットはすでにスキャロップド仕様。そこで板厚はサイドやネック寄りをやや薄く、ブリッジ周辺も少し削り、薄い部分で約2.7mm、その他は3.0mm程度を目安に仕上げました。
ブレーシングの仮置きと調整
ブレーシング接着の準備としてキットを仮置きしました。参考にしている本では、ブリッジ直下のブリッジプレートをローズウッドに交換していましたが、今回のキットはMartin D-18と同じくメイプル3mm仕様。D-18を目指すのであれば、このままで問題なさそうです。
ただし、キットのXブレーシングは付属の図面とは合わず、Martin D-18に近いフォワードシフテッドXブレーシングでした。これはむしろ好都合で、用意していたD-18の図面と一致しました。
気になったのはトーンバー(ブリッジから下方向に伸びる2本の補強材)の長さ。下の写真の通りわずか22cmしかなかったため、5cmほど延長材を作り、接ぎ足しました。
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| ブレーシング仮置き(ブリッジボードが左右反対ですが) |
なお、キットのXブレーシングは精度が高く、組み合わせがぴったりすぎて木槌で叩かないと入らないほど。そのため角度も固定され、自由に変更はできません。自分の理想のブレーシングを追求したいなら、自作する覚悟が必要だと感じました。
ブレーシングの接着
ブレーシング接着には、自作の「トーンバーデッキ(竹ひごで作った押さえ治具)」を活用。ホームセンターで買った竹棒を配置し、しっかり押さえ込みました。ラジアスディッシュは今回は使いませんでしたが、あると便利だと改めて実感しました。
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| おなじみの光景が自宅で展開(笑) |
トップ接着
続いて、サイド板にトップを接着する準備です。サイドとトップの溝をノコとカンナで加工し、位置がずれないようにしました。
その後、ボディ全体を図面通りのサイズに合わせ、タイトボンドを塗布。ゴムバンドでぐるぐる巻きにして圧着しました。今回はモールドを借りていましたが、加工済みのサイド板と合わなかったため使用せず。実際、参考書や取説でもモールドは必須ではないようです。
接着後は中央もピッタリ収まり、サイズもほぼ図面通り。若干、くびれ以降の横幅が大きいかもしれませんが、許容範囲でしょう。トップの余り部分はスクレーパーとかんなで削り落とし、無事に箱が完成しました。
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| グルグル巻きにしたところ |
コンター加工とカッタウェイ
最後にエルボー・バックコンター、ベベルドカッタウェイの加工。鉛筆で理想のカーブを描き、リューターで小さな穴を連続して開け、つないでいく方法で削りました。結果、きれいな仕上がりに。
ここまでは驚くほど順調に進んでいます。
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| 穴あけも完了 |
次回からいよいよ難易度マックスの作業に入ります
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