アコースティックギター製作記録 #05(インレイ、指板、ネック・ブリッジ接着)

 自宅でアコースティックギターを製作しています。今回の記事では、D-18レプリカの製作過程と、その中でこだわったポイントをまとめます。今回は主にインレイ製作、ネックと指板の接着、ボルトオン加工、トラスロッドの仕込みなど、組み立ての核心部分に入っていきます。


オリジナルデザインのインレイ

D-18のレプリカを作っていますが、インレイだけはオリジナルデザインで個性を出したいと考えました。
海外通販で取り寄せた白蝶貝のピースを糸鋸で切り出し、自作のデザインを制作。ヘッドにはインレイの形に溝を掘り、エポキシとエボニー粉で固定します。細かい作業ですが、オリジナル感が出て楽しい工程です。

難しくなく無難なデザインで

指板の加工と接着手順

キット付属の説明書では「ネックとボディを先に接着→指板を後から接着」という手順が推奨されています。
しかし私が参考にしている専門書では、ネックをボルトオンに加工して指板を先に接着→ボディとネックを後で接合する方法が紹介されていました。こちらの手順に従って作業を進めました。

  • 溝の補修
    指板のフレット溝を切った後、サイドに残った切れ目はエボニー粉と瞬間接着剤で埋めて仕上げます。

  • ラウンドの調整不足
    指板表面のラウンドが不十分だったため、わずかに凹凸が残り、フレット打ち込み後に隙間が発生。後日修正予定です。

指板サイドのポジションマーク(1.2mm径)を埋める穴あけは、ロゼッタ加工で購入したプロクソンのリューターが大活躍。小径穴にも対応でき、インレイ溝堀にも使用できました。


トラスロッドの仕込み

ネックにトラスロッドを仕込むため、トップ板のサウンドホールまで溝を掘ります。
ノミと彫刻刀を使いましたが、キットのネックブロックに掘られていた溝が中心からずれていたため彫り直しが必要でした。溝の深さや中心を確認しながら慎重に作業します。

参考書では、トラスロッドの固定にシリコンを使用する方法を推奨。振動による共振防止に効果的で、購入コストも約1,000円ほどと手軽です。シリコンを流し込んだ後、トラスロッドをクランプで押し込み、余分なシリコンを排出して固定しました。

まさかこんなことをするとは思いませんでした

ボルトオン加工

ネックとボディはM6ボルトと埋め込みナットで接合。ボルト長20mmが13mmナットにちょうど合います。
トップから8cm下に穴を開け、ネックに埋め込みナットをセット。この作業では、ボルト用とナット埋設用の2種類の六角レンチが必要です。

ボルトオンは接着前に試し組みができるため位置調整が容易。トラスロッドを入れることでセンターが自然と決まり、ネックの位置決めにあまり苦労しませんでした。

埋め込みナットを仕込んだところ

指板接着の位置決め

指板とネックを接着する前に、センターを正確に出すために以下の方法を採用しました。

  1. 直径1.6mmの釘を7mmに切断

  2. 指板に3か所4mmの穴を開け、押し付けて跡をつける

  3. 跡に3mmの穴をあけ、位置決めピン代わりにしてタイトボンドで接着

この手順により、接着中のずれを完全に防ぐことができます。

位置決め用の釘

ネック整形

接着後、ネックの形状を好みに合わせて整形。
キットのネックはややU字気味だったので、ヤスリとスクレーパーでC型に削り、12フレットでのセーハがしやすい形に調整しました。

クランプで接着

ネック接合とブリッジ接着

ネックとボディの接合は参考書どおりに進め、問題なく完了。
ブリッジはスケール645mm+2.5mmのマージンを取って位置を決め、接着しました。
接合箇所が指板とトップの2か所だけなので作業は比較的スムーズでした。

抑えるのは二か所だけ

実は後で確認するとネック角で若干不満なところが出ており修正はできる範囲ですが、またここはやり直しを行いたいところです。あまりにもサクサク行ってしまって油断して厳密さに欠けましたね。ボルトオンネックなのでいつでも修正できるのがいいところです。

ブリッジ接着

仕上げ工程へ

これで構造的な作業はほぼ完了。ここからは塗装や外観仕上げなど、見た目を整える工程に入ります。いよいよ完成が見えてきました。100均で購入した拡大メガネで細部を見渡すとあいまいにした箇所が今頃になって出てきていて修正箇所が多く時間かかりそうですね。

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