アコギ用リバーブにSource AudioのVentrisはいかが

アコギをエレアコにしてエフェクターを使ってみようと思った時に思い浮かべるのがリバーブかと思います。私も最初にアレシスのピコバーブから始めてレキシコンのMPX100、LXP-5、LXP-1他色々と使ってみましたが、良い物になると機材が1Uタイプの大型なものになってしまったり、小型なものはLXP-1を越えられなかったり、LXP-1は古くて壊れやすく、壊れたら替えが効かない、また小型にしては重いなど考える点があり、TC Electronicsのペダル型のHall of FameやDigitechのレキシコンのアルゴリズムを使ったPolaraに落ち着くのではと思います。ZOOMA3およびMS-50Gも相当いじりましたが、音痩せと原音のクリア度が失われ他より劣ると感じます。

エレキ用のリバーブペダルも多くあるのですが、ステレオ出力になっているタイプにこだわるとそうなってしまいます。(実際のところはステレオ出力を会場でお願いする事はそんなにないのですが笑)一度レキシコンリバーブにハマってしまうとそれよりも上位のStrymonのBlueSkyとBigSkyやEventideのSpaceやH9のリバーブに行ってしまいます。音の粒の細やかさ、複雑さ、自然さ、クリア度が違うんですよね。私は結局BlueSkyを経由してSpaceにたどり着き、これをしばらく使っていました。

ここら辺の機種は作れる音の選択肢が多いのでプリセットを作っておき、ライブではプリセットの呼出しをして必要に応じてDry(元音)とWet(エフェクト音)のMixの調整をする、という使い方になります。BlueSkyはプリセットが1つのみしか記録できなかったため、お勧めはBigSkyになりますね。


Spaceも沢山のプリセットを記録し呼び出せるので大変使い勝手が良かったです。リバーブはプリセットを記録でき、呼出しが出来るタイプが大変便利で、それを考えるとHall of FameとPolaraは選択肢に入らないという事になります。例えば、曲調でスローな曲から速い曲に変わる場合、スローな所では深めのリバーブ、早い所では浅いリバーブ、と途中で切り替えた方がベストですよね。最近知られるようになったヌーネイバーのリバーブ、そしてBossのRV-6もそれが出来ないので無し。あと候補としてはFree the ToneのAMBI SPACE AS-1R、さらにはLine6のHX Stompか。AMBI SPACEはリバーブのみでちょっと高級な割にはスペック的に物足りない。HX Sompは色々と使えそうで有力ですが、試すにしては少し高価。

長年使用したEventideのSpaceの欠点は
〇大きい、そしてLexicon LXP-1より軽いがやっぱり重い
〇電力を食う(9V 1.2A)
〇熱に弱く直射日光下では熱暴走しフリーズする。またLEDが見えなくなる
〇プリセット切替えは二踏み必要で曲中に切替は難しく、また切替時にWetが途切れる
〇つまみが多くて操作が難しく好みの音に中々たどり着けない
小型化したH9ではこの点が改良されているのかもしれませんが、H9は少しアコギ弾きにはスペックオーバーな性能です。またH9はリバーブとモジュレーションを合わせて使うなどができず、1つのエフェクターしか使用できないのであまり意味がないですね。

そこでSpaceが出てから少し年数もたっている事だし新しいものが良いに決まっているという事でこの度調べてみる事にしましたがSource AudioのVentrisがよさそうだ、という事にたどり着きました。
 
使われているDSPの性能が高く、能力が高いのは明らかであり、またプリセットも外部フットスイッチ呼出しで8つ使用ができるという所から候補になりました。ただYouTubeの動画ではエレキ用に少し強調されたえぐいものが多く、果たしてアコギにも使えるのかという所が不安な所がありました。



早速実機を触ってみましたが、日本語マニュアルもあるので操作も難しくなく綺麗なリバーブが出ました。最近のハイエンドコンパクトリバーブとしての音が出ています。しかし、それでは今までのStrymonやEventideのものと変わらないし、ここで買い替える必要がないという事になってしまいます。実はこのVentrisは実機にない数値をコンピュータやスマホで変えて音作りが出来る様になっているというのがポイントのようです。そこでアプリをダウンロードして音作りしてみました。



このVentrisは2つのDSPがあり、それぞれにリバーブエンジンを割り当ててそれを組み合わせることが可能で、これを使えばかなり自由に音作りができるようです。そしてそれをプリセットに保存することが出来るようです。プリセットはSource Audioのサイトに行けば他の方々が作ったものがアップロードされており、自由にダウンロードでき使用したりい、参考にしたりすることが出来ます。リバーブエンジンにはないTCのようなStereoChorusの作り方もちゃんとあって参考になりました。Lexicon LXP-1のプリセットも作ってくれた方もいます。

単にリバーブのみならず、ディレイ、コーラス、ピッチシフター、トレモロ、リバース、さらにはディストーションまで扱っており、単にリバーブ機というよりも空間系マルチといった方が良いと思います。これを並列か縦列か自由に組み合わせることも可。そこでアコギ用にエフェクターをかけるのに考えられる

ディレイ+リバーブ
コーラス+リバーブ
コーラス+ディレイ+リバーブ
オクターバ+リバーブ
ディストーション+リバーブ

という具合にプリセットを作ることが出来ると思います。リバーブの質もかなり高く、ホール系はレキシコンのPCM70をモデリング、プレート系はUnivasal Audioのプラグインをモデリング、つまりEMT140の事かと思いますが、モデリングしたという事でナチュラルで使っても演奏を邪魔しない大変良いリバーブだと思います。とくにジャカジャカ系、叩き系の曲の際にはリバーブ選びは苦労するところかと思いますが、このプレートリバーブまたメタルリバーブは邪魔せず非常に良いです。アプリを使えば本当に良い音を作れると思います。PC上でつまみをいじりながらギターを弾いてその音を確認してプリセットを作っていきます。

マイナス点としては
サポートが不十分すぎる。日本語訳が充実しておらず、アプリも英語のまま。アプリのダウンロード先も自分で調べないと出てきません。何の補足もないため、単に購入してもその本領を発揮する事もない可能性があります。アプリを使ってこそこの機の凄さが分かります。
スマホのアプリと専用ケーブルがついていますが、使えません。つないでも反応せずメーカーも苦慮しているように見られます。つまりメーカーも大きな箱ものは作ったけれども細部にはいきわたらない所が見受けられる、という事でしょうか。
プリセット呼出しに別にフットスイッチが必要。初期設定で4つまでは自機のフットスイッチで呼び出せますが、呼出しは順送りのみになり、送り・戻りにするためには別途デュアルフットスイッチなどの機材が必要になります。8つプリセット使用はソフト上で設定する必要があります。

他に使っていた機材が不必要になってしまいました。これ一つで十分という事です。あとエレハモのMel9を試してみますか。


比較を作りました。最後にVentrisが出てきます。

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1 件のコメント :

  1. フットスイッチはBOSS FS-7が推奨されれています。初期設定はプリセット4つしか切替できませんのでソフト上でそれを8つ使えるよう設定が必要になります。

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