クラシックプロのDIボックスCDI-1AとCDI-2Pを試す

DIボックスはライブ会場では必需品

ライブ会場に行くと見ることのできるDIボックスですが、サウンドハウスで売られている格安DIボックスを試してみました。

安物だからという予想を超えて良い感じを受けました。

DIボックスの目的

DIボックスはライブ会場でエレアコ、エレキ、ベース、キーボードの接続によく使われています。その目的は

ハイインピーダンスをローインピーダンスに変換する

PA機材の中心であるミキサーはローインピーダンス側ですが、上記の楽器はハイインピーダンス側であるため、接続の際インピーダンスを合わせる必要があります。インピーダンスが合わないと楽器の音が十分に発揮できず、酷い出音になることもあります。

ローインピーダンスにすることにより外部からのノイズに強くなる

ハイインピーダンスだと外部からのノイズに影響を受けやすいため、音がミキサーに届くまでにノイズを拾ってS/N比が悪くなる可能性があります。

結果、DIボックスを使用することによってPAの出音が良くなるというのが一般に言われている事です。

最近はエレアコとキーボードにはDIは必ずしも必要ではない

最近のアナログミキサーの取扱説明書を見てみるとハイインピーダンス対応(Hi-Z))の入力が無いミキサーにはエレキとベースにはDIを挟むように指示してありますが、エレアコとキーボードにはDIは挟まずとも直結で使用可能としています。(ただしエレアコはプリアンプが内蔵されたエレアコのことであり、プリアンプが内蔵されてないものにはDIは必須です。)


ヤマハのアナログミキサーMGシリーズの取扱説明書から
エレアコはプリアンプによってインピーダンスが下げられているため、直接つないでも問題にないということでしょう。キーボードも出力する時点でライン出力に対応したインピーダンスが最適化されているものと思われます。よく勘違いされるのがDIを使えば音量が上がると思われているのですが、DIにはプリアンプはないので音量は上がりません。アコギ専用DIにはプリアンプと一緒になっている場合が多いので勘違いの原因かもしれません。

DIボックスにまつわるトラブル

DIボックスは知っておかないとライブでのトラブルの原因になりやすいです。XRLケーブル(マイクケーブル)でミキサーに送る場合が多いと思うのですが、実際に出会ったトラブル例として

機材が合わなくてS/N比が悪くてノイズが多く出たり、ハイ上がりの変なギターサウンドになったりする

アクティブタイプの内蔵電池が容量が少なく音が出なかったり、パッシブタイプにファンタム無電源を送ってノイズが出たりする

PADスイッチが入ったまま20デシベル出力が下がっているのに音が出ないと不思議がったり、PADを入れた方がいいのに出力が大きすぎるのを無理やり抑えて変な音を出したりする

グランドリフトスイッチでノイズを出したり・・・対バンライブで機材をとっかえひっかえするものだから変に余計なところで触ってスイッチ入ってしまったりしておかしくなったりする

トラブルの元になるのでDIは自分で用意した方がトラブルが少ないと思ったりします。

自分用にラジアルのDIを使ってました

以前はRADIALのJDIというDIを使っていましたが、正直な所あまり音の変化は感じられず(それが機材として良い条件のハズなのですが・・・)無くてもいいやと手放してしまったのでした。スイッチ類も少なくて音が良い。今にしてみると惜しいですね~

クラシックプロのDIボックス

タイプはCDI-1AとCDI-2Pの2種類

サウンドハウスのオリジナル商品であるクラシックプロのDIはファンタム電源や電池による電源を必要とするアクティブタイプと電源を必要としないパッシブタイプと2種類あります。その二つに触れる機会がありましたので試して比較をしてみました。以下は、あくまでも一個人の感想になります。

CDI-1A アクティブタイプ

CDI-2P パッシブタイプ

価格がリーズナブル

BOSSのDI-1やカントリーマンTYPE85がよく知られていますが、それに比べると「安物」と言われてもしょうがない価格ですが、見た目はよくしっかりした作りで思ったより頑丈なケースでデザインもも悪くないですね。ベリンガーよりも良いように思いました。

手持ちのPA機材に使用してみた

手持ちのパワードスピーカーにつないで音を聞いて比較してみました。
スピーカーはギターのシールドが直結できるようにもなっているタイプでしたが、クラシックプロをマイクケーブルにつないでエレアコのシールドを刺して音を出して比べてみました。ボリュームをできるだけ上げてS/N比も見てみます。音源を上げても多分WEB上では違いがわかりにくいと思いますので私の感想で。

思ったより良いという感想

パッシブタイプの感想

S/N比が一番良く、柔らかくてナチュラルな音です。音量がボリューム一目盛り分くらい下がりました。少し音量を上げる必要があります。プリアンプの出力に余裕がない機材は少し注意が必要かも。

アクティブタイプの感想

9V電池を入れて使用しました。S/N比は良く、低音が締まってまとまりのあるしっかりした音になりました。また音量は下がることはありませんでした。

音はシールド直刺しよりも良い、と誰もがわかるくらい良くなりました。

あった方が良いか?無くてもいいか?と問われればあった方が断然良いという感想です。これは自分でも意外でした。エレアコで十分インピーダンスが下がったとは言えないんでしょうね。DIボックスを使うことでより良い音になることがわかりました。アコースティックギターのストローク中心の弾語りの演奏ならばナチュラルな出音パッシブタイプ、単音弾きやソロギター中心ならば締まった音になるアクティブタイプがいいし、どっちかわからないならば、アクティブタイプじゃないでしょうか。

ライブ会場では結果が変わる可能性もある

あくまでも自宅での感想です。これがライブ会場だとノイズの宝庫なのでまた異なった結果もあり得ます。低価格帯にありがちな個体差も考えられますし。実際いろんな機材を試してみれば機材のマッチングで結果が異なりますので、やってみるしかないのではないかと思います(笑)


ライブ会場で使用してみた

実際に使用してみました。私がPAを担当して今回試しに使ってみました。場所はこもれび
ライブの様子はこんな感じ
ノイズは感じられませんでした。また出音も柔らかくなりギターにとっては好ましく思われました。演者さんの一人がフィッシュマンのアコギ用のマルチエフェクターを使っていましたのでそのDI機能も使って比較してみました。使用したのはCDI-1Aで、ファンタム電源を使用。対バンライブのため違った種類のエレアコを接続します。またiPadのリズムボックスの音声も接続して使用しました。
ToneDEQ Preamp EQ
機材はToneDEQ Preamp EQです。XLRケーブルを差し込んで使用することができるようになっており、DI機能をもつプリアンプです。クラシックプロのDIを使用した場合と使用せず、プリアンプのDIを使って音を出した場合を比較してみました。

直でフィッシュマンにつないだ場合との比較ではクラシックプロCDI-1Aを使った場合の方がエレアコのジャリジャリとしたハイの痛い部分が取れて音がまとまって弾き語りの歌を邪魔せず大変良いと思われました。本当に意外でした。ここまでこのDIの効果があったのか?正直この価格ならばマイDIとして欲しいと思いました(笑)

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