加山雄三さんの「旅人よ」の弾き語りが難しい件

 時々弾き語りについてギターの弾き方について教えてほしいという依頼があったりするのですが、その中で加山雄三さんの「旅人よ」が簡単には弾けないという件について残したいと思います。

加山雄三さんは私の父親と同じ年齢ですが、映画の俳優としてバイタリティにおいて凄いと思っていましたが、長い事関心がなく、無知で、加山さん→「演歌の一部?」くらいの認識しかなかったです(全然外れておりすみません 汗) しかし最近のギターの弾き語りライブなどで他の方の演奏などに触れるにつれて歌詞の内容が今では失われた「男のロマン」が語られていていいな~と思うようになりました。

さて問題の「旅人よ」の弾き語りですが、Dmのオリジナルキーで使われるギターのコードに難易度の高いB♭とE♭が含まれておりこれが難易度を高くしている原因となっています。ちなみにアコギ初心者がつまづいてギターをやめるきっかけとなるコードの一つがFにつづくB♭です。そしてE♭においてはまずローコードを中心とする弾き語りさんは使わないコードでこのコードが譜面に登場したとたん、「?」が頭に浮かんで演奏がストップする事になってしまいます。この二つはアコギの弦の固さでは押弦がしずらく、綺麗なコード音が出しにくいため、加山さんはセーハを使ったハイポジション中心の弾き語りを行っております。



イントロと歌の出だしから連続してセーハが登場します。以下のポジションが使われています。

「旅人よ」で使われるコード
上記のコードではそれでもFやE♭で使われている2、3、4弦の「A」型コードを押さえるのが難しいため加山さんは薬指の上に小指を乗っけて力を補強しながら弾いている様子がYoutubeで見られます。

そして「やがて~」からの次のメロディに入ると左手の力を休めるモードに移り、親指多用のコードを使います。

♪やがて~からのコード
FとB♭は同じ形の押弦なので楽な所ですが、セーハをここでも使うと力尽きてしまうため、指を休めるために親指をつかったコードを使っています。それでも曲の最初から最後までこのパターンで弾くと左手がかなり疲れます。おそらく弦はライトゲージよりも細く、弦高はかなり低くと調整しないとこの曲はできないかと思います。これはエレキを弾いている人は大したことない(と思いやって諦める)ですが、フォーク畑で育った場合、コードを見ただけ諦める人、コードを簡単なものにしてキーを変える人、となるのではと思います。しかしご本人さんは最近の動画まで相変わらずハイポジションの上記のキーをつかって長年アコギを弾いており、こだわりを感じさせられます。

左手の話につづいて右手の件ですが、レコードの中ではアコースティックギターのストロークとリードギターのアルペジオと二本のギターが使われていますが、アルペジオ部分が音も大きいため譜面に採用されてそれを使って弾き語りをしている人が多いように見受けられます。しかしどの演奏動画でも加山さんはストロークによる弾き語りであり、ストロークのパターンも聞きなれない独特のリズムで弾いています。なんかイメージ的に西部劇ぽい感じがするんですよね。歌詞の内容もそれっぽいし。

右手ストロークパターン。アップダウンの順に注意

注意したいのは単にオルタネイトではなく、変則的にアップダウンすることによって独特のノリを作り出している点です。ダウンストロークが連続で入る箇所があるためリズムキープが難しくノリを理解し、感じないと弾きながら歌うのは少し難しいです。

miwaさんとのコラボの動画をみたことがあります。弾き語りでは専門のmiwaさんが加山さんのパターンで弾けないため加山さんも弾くのをあきらめてしまっています(笑) 孫くらいの差があるので「おめープロだろが?」とは言わないとは思いますが・・・でもこれってすぐに弾けと言われて弾けないですよねぇ。以上、部外者の素人雑感でした(笑)


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