🎸 低域用コンタクトピックアップを自作してみた【続編】

 以前、低域用コンタクトピックアップを自作した話を書きましたが、今回はその続きとして、さらなる改良に取り組んだ記録です。低域用としましたが、正しくは「パーム用」かなと言えます。


🔊 低域用ピックアップ、今でも手放せない

前回作った低域用コンタクトピックアップは、今でも私の演奏ではなくてはならない存在です。パームの音が「ドン」と鳴ると鳴らないとでは印象が変わります。


🔍 もっと良くするには? ― より大きなピエゾ素子を試す

今回の課題は
「もっと大きなピエゾ素子を使えば低域がさらに拾えるのでは?」
という発想からスタートしました。

そこで秋月電子さんで直径35mmのピエゾ素子を入手。
パッシブのローパスフィルターとして、0.22μFのコンデンサと10KΩの抵抗を組み合わせてみました。
理論上、約90Hzから上がカットされる仕様です。


⚡️ 結果 → カットされすぎて音が出ない!

やってみた結果、
高域が落ちすぎてほとんど音が出ませんでした…。

やはり理論と実際の楽器の鳴りは別物ですね。
大きいピエゾでカットするだけでは低域だけがキレイに残るとはいかず、
信号自体が弱くなってしまいました。


✅ 結局、元の0.11μF+10KΩがベスト

結局、以前の組み合わせである
0.11μFのコンデンサ+10KΩの抵抗に戻しました。
理論的には150Hzから上がカットされますが、
素材や取り付け位置のおかげか、私にはこれで十分でした。

今回は0.11μFの在庫がなかったので、
0.1μFのメタライズドポリエステルフィルムコンデンサを使用しました。
薄型で内部でも取り付けしやすく、音にも問題なしです。

直接はんだ付けしました

🔧 ノイズ対策も入念に

ピエゾ素子は、セラミック部をエポキシで保護し、
乾燥後に銅箔テープで全体をシールド。
これを台座の金属部分とはんだでしっかりつないで、
不要なノイズを抑えました。

両面テープは通常のピエゾには日東工業(ニチバン)、低域用ピエゾには百均で買える粘着ゲルテープ(クロコダイル)を使用しています。


🔗 ミックス用の通常ピエゾとの組み合わせ

ギター全体の音を拾う通常のピエゾは、
直径20mmのものを使用しています。
これもノイズ処理をして、RCA端子を取り付けています。

ピエゾの質は出音に影響が出るかとAIに聞いてみた所、取付場所や加工方法などの方が影響が大きくそんなにピエゾの質は関係ないとの回答でした。次回からはアマゾンの安いのを使ってみようかと思います。ピエゾは一回取付けて気に入らず剥がすと中のセラミックにひびが入り使えなくなってしまいます。使い捨てというつもりでまとめて安く買った方がよいです。

上記の動画では二つのピエゾの音の方向性が違うの示しています。大きな方が低域用ピエゾですが、通常用のピエゾが触ると広い範囲で音が出ているのに対しそれほど広い範囲で音が出ていないのがわかると思います。ローパスフィルターが効いていますね。

📌 取り付け位置の工夫

大きめのピエゾをトップ板に直接貼ると、
振動を拾いすぎて共振・ハウリングの原因になります。

なので、今回は振動が比較的少ない硬めのブリッジボードに取り付けました。
単独で使うなら、もっと小さめのピエゾを共振を抑える台に取り付けて、
トップ板の「一番おいしいポイント」に貼る方が音が良いかもしれません。

EQなどのエフェクトはあまり使わない方は小さいピエゾにして良い音が鳴るピンポイントの場所を時間がかかりますが見つける方がいいと思います。

今回は大き目のものを無難な位置と最大出力を狙っての取付けになりました。デメリットとしては耳障りな部分や雑味な部分が出たりするので、その際はエフェクトでカットし、ピエゾの良い音を使うという方向です。

低域用ピエゾはパームがあたる真下に厚めのゲル状の両面テープを貼って取付けています。直接振動音を拾う状態にすることによって埋もれないしっかりしたパーム音が出せると思います。


⚠️ ピエゾのミックスは逆流に注意

今回の肝はここです。K&Kのような同じスペックのピエゾを複数設置する場合と異なり今回のような出力差の大きいピエゾをミックスさせる場合ですが、

2つのピエゾをただ並列でつなぐだけだと、

  • 逆流で音が打ち消される

  • 出音が小さくなる

  • 音が濁る

という問題が起こります。

そこで、双方に10KΩ程度の抵抗を入れました。
プラグのはんだ付けの際に抵抗を入れ、径2mmの収縮チューブで保護しています。
これで逆流を防ぎ、多少音量は下がるものの、
クリアに2つのピエゾが混ざるようになりました。

実際はピエゾ素子はハイインピーダンスなので電流はごく微量、イメージするほど逆流など起こらず、電圧の平均化が起きるだけらしいです。しかし実際やってみた結果ですが、抵抗ありと抵抗なしでは体感的に大きな違いが現れました。だんぜん抵抗ありの方が結果が良かったです。

今までつないでいた部分を分岐させているのでそのための分配器が必要になります。基本どれも双方向なので使用できますが、低域の振動が出ますのでここはしっかりとしたものがよいです。

分配器(合成器)
上記写真では真ん中のタイプを使っていたのですが、質が悪いものは振動でノイズが出る事がわかりました。左のような30cmのタイプのしっかりしたがいいと思います。結構違いが出ます。

🎵 まとめ

大径ピエゾやフィルター回路を試した結果、
結局は「ほどほどのサイズ」「ほどほどのカット」「逆流防止」が一番効くと実感。下の方に出音を動画にしてみました。生音からボリュームを上げたラインの音です。ラインの音が大きく出ますので再生にはボリュームに注意してください。エフェクトはかけていません。

それぞれのピエゾが役割を果たしていると思います。

普通ピエゾ単独でもパームの音は鳴ると思うのですが、芯のない音になり、他の音に埋もれてあまり聞こえなくなってしまうのですが、このように低域用ピエゾを入れると芯のある「ドン」という音が出せるようになります。

PAにラインでつないで音出しをする際、このパームの音が大きすぎるとピークオーバーとなり、ギターの音量を下げられることになりますのでコンプレッサのエフェクトをかけてスレッショルドを下げて圧縮しアウトプットを調整してピークオーバーにならずにしっかりと出す設定にする調整が必要になります。
サンライズS2との組み合わせです
写真のようにサンライズと組み合わせています。ぶっとい音が出てますね~ 爪とサンライズの表面が干渉してノイズが出るのを抑えるために薄いゴム板をかぶせています。

今回の自作で学んだのは、
理屈だけではなく、実際に鳴らして調整するのが一番!
ということでした。(AIがまとめちゃったよ笑)


もし、同じようにピエゾの低域拡張を考えている方がいれば、
少しでも参考になれば幸いです!

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