アコギで使うAmpero 2 Stompがバージョンアップ

 アコギで使うAmpero 2 stompの続きです。

当方がメインで使用しているAmpero2 Stomp(以下アンペロ)が大きくバージョンアップしました。バージョンアップで機材が大幅に性能アップするのはZOOMで見られましたが、それ以上の別物の機材かといえるほどのバージョンアップです。詳細はサウンドハウスのこちらの記事で。前にはなかったリズム機能すらついてきました。

アップデート前の画面

アップデート後の画面

シーン機能というとHX STOMPでのスナップショットと同じ機能なのですが、音切れなくエフェクトパッチを切り替えられるだけでなくパラメーターも変更できるというのがいいですね。

HOTONE AMPERO II STOMP

現在の当方のAmpero2 Stompの利用状況

CTLスイッチに複数のエフェクトをON/OFFまたはOFF/ONするのを割り当てるという方法がマルチエフェクターには見られますが、切替の際各エフェクターのパラメータを変更することはできません。今回シーン機能ではシーン1のAボタンにリバーブのミックスを20%、シーン2のBボタンにはリバーブのミックスを50%という具合に各パッチのON/OFFだけでなくパラメータを変更した状態を記録することができます。曲の途中や曲ごとの切替でより表現の幅を広げる事が容易になります。曲の単音弾きの時にはリバーブを深く変更して、後の部分は元に戻す、といったPAさんにお願いしなければできないことが自分で操作できるようになります。もっとも私はアンペロに接続したエクスプレッションペダルにリバーブのミックスの量を割り当てていますのでペダルで操作しますが。以降画面はUSBケーブルでアンペロをPCに接続した編集アプリでの画面のハードコピーです。同様の状態がアンペロ画面上でも行うことができます。

PC編集アプリよりシーン設定。エフェクターのON/OFF以外のパラメータも変更できます

アンペロを半年使用してみての感想

IRローダーとして使えるのは便利

「import IR」からPC経由でIRデータを本体へアップロード

自分のアコギにフィットしたIRを自作してアンペロにアップロードして使用しています。IRにボディの響きや広がり、アンチフィードバックやラインで音出しする場合のイメージの周波数特性を事前に付与できるのでアコギのマイク録りのような音質で音出しができます。汎用のアコギのIRデータは使い物にならない事が多いのですが、自作のデータは納得できるまで作り直しができるのがいいですね。

高機能なエフェクトが使えて自由な音作りができるのが便利

5バンドパラメトリックイコライザーやコンプレッサーで聞きやすい音が作れます。IRであらかじめ音を生音に近づけた後は奏法に合わせて調整します。一般のペダル式のイコライザーではできないような細かな調整ができます。パームの音を強調するために60~80Hzを上げたり、ハウリングを起こしやすい100~200Hzをカットしたり、メロディを強調するために1KHzを上げたり、ハイがきつすぎるなら10000KHzを減らしたりと使用するギターとピックアップに合わせて調整します。また一般のペダルのコンプレッサーではできないスレッショルド、アタック、リリース、アウトプットなど調整ができます。これができると聞きやすい音が作れますね。タッピングが入った曲にコンプの調整を入れるとしっかり音が取れるので演奏も無理な力が入らずできるようになります。エレアコは音のダイナミックが生音より大きくなり、バランスの悪さに自分が下手になった錯覚を感じてしまいます。タッピングもまとまらなかったものがちゃんとまとまるので積極的に使うべきと思います。

PC編集アプリより。コンプの一つ Squeezer。Toneで音をLowよりHighよりに出来る

奏法・曲・ギターごとにセッティングをプログラムしておけるのは便利

エレアコの音はどんなに優秀なピックアップやプリアンプを使っていてもクセはあるし、曲や奏法によっては演奏の邪魔になる部分も出てしまいます。アルペジオ系、ストローク系、ギャロッピング系、タッピング系、スラム奏法系等々、それぞれの奏法で聞かせたいところと聞かせたくない所とラインの音ではどうしても相反する部分が出てしまい一つのセッティングではまとまらないのがソロギターのセッティングかなと思います。複数の奏法でやりたいときにはそれぞれのセッティングをいちいちつまみを弄りながら曲を演奏する前に触ることなく奏法ごとに曲ごとにスイッチ一つで呼び出したい、それがソロギターでマルチエフェクターを使用する理由になるのかなと思います。曲ごとに、奏法ごと、ギターごとに演奏が映えるセッティングをあらかじめ作っていくつもプログラムして呼び出せる、奏法が限定されずソロギターの可能性を作り出せるのではと思いますね。

画面の都合所横向きにしました。いくつもセッティングを保存できます。

EMT140プレートリバーブのモデリングが新たに実装

プレートリバーブはソロギター弾きがよく使うリバーブの一つですが、EMT140という大きな鉄の板からなるプレートリバーブの元祖を公式にモデリングしたものが使えるようになりました。温かみのある太いリバーブがかかります。これは大変気に入りました。マルチエフェクターはあまりリバーブには力を入れてないものが多いのですが、アップデートで新たにリバーブを実装してくるあたりが良いですね。AERのプリアンプがあったりAcoustic Refinerというボディの響きを付け加えるエフェクトがあったりとアコギ用にもよく考えてくれています。

エクスプレッションペダルは便利

「エレキじゃないんだしペダルなんて」とずっと思っていましたが・・・
ペダルはボリュームペダルという単に音量を上げたり下げたりできるペダルと、エクスプレッションペダルという他のエフェクターの機能をペダルに割り当てて足でパラメータをコントロールするというペダルと二種類があります。ペダルはフットスイッチより大きく操作しやすいので間違えないという安心感があります。割り当てるパラメータの上下限の設定もできるので必要なところだけ動かすことができます。またエクスプレッションペダルは一踏みで複数のパラメータを同時に動かすことができるので一つを絞り他方を開けるといった動かし方でがらりと音色を変えることが可能です。


アコギにペダルを踏んでオーバードライブを入れるセッティングの例(センドリターンはパッチケーブルで直結させる)
またブースタースイッチでソロの時に音量を上げるよりもペダルを踏んだ方が安心感がありますね。

アンペロの良くない所

ライブで使用する事を考えるとAmpero2 Stageの方がよい?

アンペロ単独では操作性に問題があり、フットスイッチを増設する必要があります。フットスイッチは2つのものなら自作でもいいし汎用の安いものでもTRSケーブルでつなげば動作します。4つのものにしようとするとMIDI接続にしなければならないので高くなります。それを考えると現在それほど大きな価格差がないStageの方が良いと思います。私の場合BOSSのMIDIペダルを使ったので安価に済んでいます。

HOTONE AMPERO Ⅱ STAGE | アンプモデラー&エフェクター | ライブ演奏 | Bluetooth接続

ファームウェアのアップデートに多数の不具合、乏しい日本語サポート

SNSにアンペロのコミュニティがあるのでそこから情報を得ることができますが、今回の大幅アップデートに際し手順を正しく踏まえないことによる多くの不具合の情報が寄せられました。最近のSNSは翻訳もしてくれるのであまり不都合はありませんが、日本代理店による情報は遅いのでアップデートについては慎重になった方がいいかもしれません。

オクターバーにRANGE機能はない

BOSSのOC-3やOC-5のような低弦のみにかかるベースのようなエフェクト設定はありません。そこで元音を低域の周波数に変換するIRを通した後付属のデジタルオクターバーで変換された低域の音にオクターバーを掛けるようにします。前後にセンドリターンを設定すると同等に使える状態になります。

オクターバー設定の例(IRは市販)

まとめ

アコギで色々とやりたい人・でも省スペースで、と思う人にとってはバージョンアップでアンペロはかなり魅力のあるものとなった。

ライブで使用したいとお考えの人にはAmpero2 Stageを検討する事をおすすめする

HOTONE AMPERO II STOMP

HOTONE AMPERO Ⅱ STAGE | アンプモデラー&エフェクター | ライブ演奏 | Bluetooth接続

【追記】2024年9月3日

オーバードライブのエフェクターを外部追加することにしました。
オクターバーとオーバードライブを併用するためにオーバードライブを外部接続するのが適当と思いました。外部接続することによりアンペロ2内の負担を減らすことができ、オーバードライブの微調整が楽にできるようになります。外部接続のエフェクターを利用するためには「LOOP」をライン上に設置するだけです。あとはエクスプレッションペダルで量を調節するように割り当てるだけで必要に応じて利用する事が可能になります。

外部エフェクトを接続するためのケーブルを自作
アンペロ2の外部接続端子はステレオ仕様で外部エフェクトを2系統追加する事が可能です。そこで1系統(L)は何も接続せずに直結、2系統(R)にはオーバードライブを接続するためのインプット、アウトプット用のプラグをつなぎます。このような特殊なものは市販されていませんので一般のシールドと熱収縮チューブを使って自作します。上記の特殊なプラグは日の出光機製作所が販売していた(現在オヤイデに製造移管されています)ものなのですが、現在はアマゾンで残り在庫から入手するかオヤイデのサイトで入手するかで入ります。最小のプラグなのでボードが大変すっきりします。

外部エフェクトを接続した様子
今回は安価で使いやすいRevol Effectsのオーバードライブを使ってみました。内部エフェクトのLOOPで(R)を指定すればセンドリターンでオーバードライブが使えます。あとはペダルにLOOPのリターンの割合を指定してやればペダルを踏むとオーバードライブが元音にプラスされるという仕様になります。

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