Xoticオイルジェルを使ってOOO-28ECをリフィニッシュ(前半)

 OOO-28ECの音が納得できないのでリフィニッシュへ

Martin OOO-28ECですが、生産が開始された96年からの初期不良が多数あり、ネックの取付けが甘くネック起きを修理する記事がネットでもよく見られます。その一方では音質・音量についてのポジティブな意見もあり、個体の当たり外れが大きいとはよく言われているかと思います。家にある1997年製のOOO-28ECはどっちかというと外れ個体です。ネックリセットも行っています。「よい木材を使っている」とは言われますが、音についてはあまり納得がいっていません。音質はたぶんOOO-28ECの音はして良いのですが、もう少し感動する何かがないと思います。

YAMAHA FG-180のリぺアの経験からXoticオイルジェルを使えば自分で表板のリフィニッシュが可能という事がわかりましたのでこの度やってみることにしました。剥がすのは表板と裏板です。

塗装はがし

おそらく塗装はがしは作業に一番手間がかかる事だと思います。いろいろな方法を見ることができますが、塗装はがし液→紙やすりが無難だと思いました。

今回使用したはがし液
ホームセンターではがし液を購入しました。刷毛にとって表板に塗りたくります。しばらく置いてからスクレーバーでこすると剥がれます。表板は2回、裏板は5回くらい行いました。裏板は結構厚く塗られていて苦労しました。

紙やすりの空研ぎ

サンドブロックに紙やすりを巻き付けて表板の白い部分が出るまで研ぎます。ラッカーの下のシーラーが分厚く全部剥がすのに苦労しました。
作業の途中
上の写真では剥がし剤で色がついている部分までは剥がせるのですが、その下の白木の部分まで剥がさないとまだらになってしまいます。前回のYAMAHA FG180は一部が合板の一枚目が無くなって2枚目が出てくるほどひどい状態でしたので途中で先に進めませんでしたが、このギターは単板ですので思い切って色がついたところも削りました。表板の厚みが3mmくらいはありますので今回は余裕です。

空研ぎやすりの目は80番を使用、おそらく100番では白木の部分に到達するのはまず無理だろうと思います。A4サイズのものを4枚くらい使いました。結構使います。空研ぎは粉じんが出るのでマスク必要です。

格闘の末に終了
先回ブリッジを取り付けたばかりなので今回は外さないでやりました。指板周りとブリッジ周りの角の部分は削り残しが出るので細かいところは百均の彫刻刀セットを使ってそり残しを削りました。それにしてもこの作業は時間がかかります。次やるとしたら安いサンダーを買ってでも使いますね。裏板も結構塗装が厚かったです。

塗装をはがしたところで塗装前と音を比較してみる

塗装前と塗装を剥がした状態で音をコンデンサマイクで同じ環境で録って比較してみました。結果は予想通りですが塗装を剥がすと今までとは違う好ましい音が出るようになりました。特筆するところは音の抜けが良く鳴り(前)チャリーン→(後)ジャリーンと高音域が良く出るようになったところです。
塗装を剥がす前の特性

塗装を剥がした後の特性
上の図で音の特性を比較してみました。塗装を剥がす前と剥がした後では特に下の方の赤丸で囲んだエリアに顕著に違いが出ていました。高音域に倍音成分がたくさん含まれていることがわかります。また低音部分もわずかですがより低い音が出るようになり音のレンジが広がったという結果になっています。

YouTubeのOOO-28ECの音を録ったサンプル動画がいくつかありますが、この塗装を剥がした後の音に近い音を出しているものも見られます。比較的新しめの製造年のものに見られるのでおそらく改良されたのでしょう。(もしかしたらイコライジング調整されたかもしれませんが)同じ97年製の動画のサンプル音も私の所有している音に近いので初期はおそらく製造過程で塗装が厚すぎたのでは?という事を想像してしまいます。

まだ途中ですがとりあえずまとめ

塗装はがしは手作業は大変でした。次に機会があれば機械を使います。リフィニッシュすると音が変わり良くないこともありますが、とりあえず鳴りが悪いギターについてはリフィニッシュは間違いなくいい方向に向かうと感じました。弾いてみてあの感動がしないギターが「良い音」と自然に思うくらいに鳴りがよくなりました。あとはギターの用途に応じて塗装でどれくらいこの鳴りの良さの制限を抑えるかだろうと思いますが、一番薄く塗装を仕上げられるオイルフィニッシュはソロギター用としては良いはずだと予想ができますね。
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