アコースティックギターのブリッジを自分で交換

 自己満足ながらアコギリペアのDIYは楽しい

1997年製のMartin OOO-28ECのブリッジを自分で交換しました。

当時は新しいのにビンテージ加工を施した、と歌われていましたがもう既に25年以上が経ってしまい見た目も本当のビンテージになってしまっています。それでも中古市場に良い状態で出れば売り値は50万円以上はするというビックリの状況です。


初期のECは初期不良が多く、今もネットに多数のリペアの記事を見ることができます。それにもれず私のギターも相当リペアや改造、誤って落下させたりを繰り返して来ましたが、まぁ~あまり鳴らないギターですね。音色はあの同じ音がしていいんですけどね。


この冬長年の改造に耐えられなくなり?ついにブリッジのヒビ割れが大きくなってしまいました。もはや使える状態ではありません。状態を見ていくとバックの割れとブレーシングの剥がれ、フレットのすり減りなどの致命的な問題があり、これを修理に出せば推定修理費は15万くらいはかかると見られます。一体どんだけ手がかかるギターだろう(汗)今はそんな余力がないので自分で修理することにしました。素人の出来栄えは決してプロのようにはなりませんのでその点はご注意を


実際に自分で出来るか調査

ブリッジ交換をするにあたり一番気になるのがオクターブ調整(開放弦と12Fの実音が音程が合う)ができる範囲内にサドルの位置を持っていけるかということです。エレキギターだとネジで調整できると思いますが、アコギはサドルが固定されておりサドル幅も3mm程度しかなく、その間で調整しようとすれば適切な位置にサドルを設置しなければならないとなります。


プロのリペアマンだとブリッジの材を交換前のものと同じものを作成し、適切なサドルの位置を調べて修正可能な範囲にトリマーやルーターという工具で慎重にサドル溝を掘ります。一般人には荷が重い作業です。


どうしたものかと思案していると既成品の中に寸法が奇跡的にピッタリ合うものがネットで販売されていました。手持ちのギターで六角レンチをずらしながらオクターブの位置を調べてみると寸法が正しければ大体範囲内に収まりそうだということがわかりました。Martinのブリッジはどれも同じなのでしょうか?エボニーのタイプを早速取り寄せることにしました。アコギのオクターブ調整はそんなに神経質になる事もないと言われますが、努力はしたい(笑)

リペア開始

ブリッジを外す

手持ちのアイロンと濡らしたクロスを使い、ブリッジの上にクロスを載せてその上からアイロンを当てます。ネットではここで焦って無理に剥がすとトップ板が一緒に剥がれるらしいのでじっくり当てました。

ブリッジの上にクロス、アイロンを当てます
ブリッジとトップ板の間の接着剤が柔らかくなり、間にスクレーバーが入るようになります。スクレーバーを動かし少しずつ範囲を広げます。スクレーバーの形状なのですが、写真のタイプではなく先が丸く細めのほうが良かったです。角があり広がったタイプだと隙間に差し込んだスクレーバーを動かす時にトップ板を傷つけてしまいました。後でキズを修正します。

ブリッジが外れた直後
思ったより簡単にトップ板を剥がすことなく外れました。1時間もかかりませんでした。

購入したブリッジを合わせてみた
ネットで購入したブリッジは形状はほとんど変わりませんでしたが、トップ板に当ててみると若干ブリッジピンの穴が合わないことがわかりました。そのため一旦ブリッジピンの穴を木工用のエポキシパテで埋めて一日置き、ドリルで新しいブリッジに合わせて穴を掘り直します。

穴をパテで埋めます
ブリッジ穴は電動ドリルで開けてリーマーで拡張します。

ブリッジの穴を開けます
またトップ板の塗装をブリッジの形状に合わせて慎重に剥がして平にします。百均で購入した木版画の刃を使用しました。

彫刻刀は持っていて便利です
ブリッジを接着するのに必要なクランプを購入、百均でクランプでギターの板を傷つけないように細切れの木片を購入しました。

百均で購入した木片

クランプはネットで購入木切れをテープで固定
きれいにしたトップ板とブリッジにタイトボンドを塗り接着してクランプで圧着、ネットで見たことのある光景が出現しました。

自宅にもあの光景が出現
24時間ほど待って完成です。ブリッジさえ手に入ればそんなに難しい作業ではありませんでした。ブリッジの接着部と塗装の隙間を美しく仕上げるのに注意が必要です。

とりあえず出来たっぽい キズは後で直します
ブレーシングの接着
ブレーシングの剥がれは軽く板を叩くと剥がれているところだけ音が変わるのでわかります。そこに細いスクレーバーを差し込むと剥がれているところがすんなり入ります。あとはスクレーバーにタイトボンドを塗り、差し込むことで隙間に流し込み治具で軽く圧着するだけでそんなに難しくありません。問題は圧着するための専用治具が手に入らないということです。

ターンバックル見たく回して伸びるという小さな道具はなかなか手に入らないですし専用工具をこのために買うのも・・・と思ってしまいますが、意外なものを見つけました。水道の配管に使う塩ビの継手です。ネジのオスとメスパーツがありそれらを合わせて回すことで長さが伸びたり縮んだりします。

ホームセンターで購入
ブレーシングがハマるように溝を作る
これを加工してブレーシングに入るようにしてあげると十分使えます。ホームセンターで手に入ります。オスメスで300円もしませんでした。これさえわかってしまえばブレーシングの剥がれは誰でもできる作業ですね。
内部の様子

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