クラシックギターを初めて手にすることに
フィンガースタイルのギターを長年弾いてはいるものの、独学であり、クラシックギターなどほとんど知らない私でしたが、時節柄時間に余裕もでき、ナイロン弦で癒しのギターを弾いてみたいという思いからクラシックギターを初めて手にしてみました。かと言っても経済的に余裕はないので、球数の多い中古市場から低価格で良さそうなものを選んでみました。それにしてもかなりの数で溢れていますね。てかどんだけの人が挫折しているんだこの分野は💦
クラッシックギターは鉄弦ギターと比較して弦高が高い
という事で総単板の相当古い国産のクラギを手に入れたのですが、弦高が12F 4mmと鉄弦弾きにとっては少し高めです。4mmだったらギター本体に深刻な問題を抱えているとみなしますが、クラギの場合一般には4mmでも標準の範囲といえるらしく、実際に弾いてみると弦がナイロンだけあって柔らかいのでそんなに演奏には支障がなく、バラードの曲程度ならば全く問題なさそうです。ただ難易度の高い曲に挑戦しようとするともう少し弦を下げたほうが良さそうに思えました。
古さがしぶい(笑) |
ギターの状態
このギターの状態は、ブリッジ下のお腹周り、ネックの元起き等特に目立って変形しているようには見えず、50年前にもかかわらずいい状態です。若干のブレイシングの剥がれ等接着の不良がありましたのでタイトボンドで自分で修理しました。今のままでも問題はないのですが、本当にわずかにネックの元起きで弦高が少し上がったんでしょうか。トラスロッドもないギターですが、これもいずれは厚めの木材とクランプで1か月程度押さえておけば修正は効くと思います。中古市場は自分で悪い所は直すというある程度の知識は必要かなと思います。
ギターの構造上弦高を下げる問題が発生
サドルもまだ削れますので弦高は下げられそうですが、クラシックギターの構造上、これ以上下げられないという問題がありました。それは弦を弦通しに巻きつけて弦を固定するという方法が、弦通しの穴よりも上部に固定されてしまうため、サドルにしっかり弦を載せられないという問題です。
弦を通して弦を吊って持ち上げています |
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横から見た図 |
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角度が付かないので問題がある |
サドルに角度をつけて弦を載せられないためにギターの表板に弦の振動をしっかり伝えられないので表板に伝わる力が小さくなり音が小さくなる事が考えられますし、サドルと弦がしっかり密着しないのでサドル上で弦が暴れてノイズが発生する事が考えれます。この従来の弦の固定方法をなんとかならないものか・・・
弦止めチップというのがあった
と思案していましたら、弦止め用の「Funa スーパーチップ」「クリアトーン」等便利なものが売られているのを見つけました。小さなチップ(象牙、牛骨、メタル、合成樹脂等)に穴を開けてそこに弦を通して弦の端を固定して弦通しの穴から直接サドルに弦を載せられるようにするというものです。その事により弦を張る手間があまりかからなくなり、表板に弦の振動がしっかり伝わり、音の分離や音量がアップする等の効果が期待される、事が考えれます。
しかしサドルと弦の角度がついて張力が上がり、張りが強くなって弾きにくくなるという問題も起こりそうです。そう思うとどちらかというと弦高を下げるための装置と考えたほうがいいのではと思ったりします。
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普通に変えると張力が強くなると思われる |
このチップを使うことにより、弦通しの穴から直接サドルに弦が載ることにより、サドルを下げても角度がついてサドルの上で弦が暴れてノイズを出すこともなく、しっかり表板に振動を伝えることが出来弦の張力を下げることもなく音量が小さくなる等、劣化する要素がなくなる。その上弦高が下がるのでプレイアビリティが高くなる事が予想される、といい事ずくめです。
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予想ではこうなる |
本来なら本家を買うべきなのでしょうが、案の定中国製のパチもんが販売されており、それを取り寄せることにしました。すみません。YouTube上ではスーパーチップとクリアトーンの音質比較の動画もあります。はっきりわかるくらい音が変わりますね。
サドルの交換
サドルはオリジナルでプラスチックが使われていたのでこの度牛骨に変える事にしました。このギター当時の価格で2万7千円程で当時のサラリーマンの平均月給が1万7千円らしいので今でいう所の40万~50万円くらいになるんでしょうか。ギターって高かったんですね。牛骨サドル2本入り なぜかおまけピックも(笑) |
ミニ万力は必須でしょう |
ぱちもん弦止めチップ |
弦止めチップを取り付けた図 |
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