Bias Amp2 mobileをアコギで使う

 ブラックフライデーのセールでDTM関係が安くなり、iPadやiPhoneのアプリ、Bias Amp2 mobileを購入した使用感です。

Positive GridのBias Fx2 mobileはすでに購入済みで使用していますが、さらにいい音を追求するならBias Ampも必要だという話は色んなサイトで語られています。果たしてエレアコ用として必要なのかどうか試してみました。

アコギ用のプリアンプとしてTidemarkのImpress Concを使用していますが、これはプリアンプとしてはハイエンドにあたるものでピックアップの音をかなり忠実に出力しますのでよいピックアップを使えばかなり生ギターに近い音を出すことが出来ると思います。

Tidemark Impress Conc

それならばこのImpress Concから出る音を直接PAに送ればめでたし、となるのでは?と思いますが、そうもいかないですね。リアルなアコギの音が直接耳に届くようになってしまい、聞く人とアコギの音の距離が近すぎて違和感を感じてしまうのです。

生のギターは聞く人とギターの音とに距離があり、ギターの音は空気を伝わって音の情報を減らしながら耳の届くのですが、Impress Concはその情報が減らないまま耳に届いてしまうので、超リアルで情報が多すぎて聞く人とギターの音とに距離を感じず違和感が残ってしまうのです。まあ癒しのサウンドになるためには少しの空気感、距離感が必要だということでしょうね。

ハイエンドのプリアンプはそのような傾向がありますので、音の情報を減らして空気感を作るため古いレキシコンを使ったり、リアルさが失われるエリクサー弦を使ったりするのではと思います。まあ情報量を求めて今度は減らす方向へ、中々難しい世界です(笑)

私もBias Fx2 mobileのエフェクトにサチュレーションの効果があるテープエコーがありますのでそれをセットに入れてたりしています。若干音を耳が気持ちい良いと感じるような歪をいれる、という効果をもたらすみたいですね。

そこで、このTidemark Impress Concの音をBias Ampに通して空気感を出すセッティングに変えられないか、というのが今回の狙いです。Bias Fx2 mobileに使われているアコースティックアンプはそのまま使用するととても原音に忠実とは言えない音になってしまいます。これをより歪をより少なくし、情報を減らして空気感のあるアンプの音をマイクで拾った生っぽい音に変えるようにするようにします。

Bias Ampのアコースティックアンプのパネル部
Bias Ampのアコースティックアンプを開いた画面です。これと同じものがBias Fx2 mobileに使用されており、ここで調整されたアンプをBias Fx2 mobileに送って使用することができます。アンプはパネル部、プリアンプ部、トーンスタック部、パワーアンプ部、トランス部、キャビネット部とに分かれており、部品をそれぞれ組み合わせすることが出来ます。

ちなみにこれにImpress Concをつないでデフォルトで音を出してみるとこんな感じになります。

ちょっとこれはアコギに似た何かの音かな(笑)と思います。これを自然な状態にしていきます。Bias Ampはアンプの中の真空管とトランスを変えることが出来るようになっていてこれを一番歪の少なくナチュラルなものに変えてみます。
プリアンプの真空管の交換
英語になりますが、真空管の種類にそれぞれどんな特性があるのかが表示されており、その中で「最も歪が少ない」「最もクリーン」というキーワードで真空管を選びます。
パワーアンプの真空管選び
トーンスタックはアコースティックというセッティングであまりいじるところがありません。次にパワーアンプの真空管を同じく歪が少なく、ナチュラルなものを選びます。

トランスフォーマー

次にトランスフォーマーでトランスを選びます。トランスを変える事でわずかに変わりますね。これもナチュラルなものに選びます。
キャビネット部 デフォルトではSM57が中央に一本だけ

最後にキャビネットを調整します。キャビネットの前に立てるマイクはSM57の他、3つ性質の異なるマイクを選ぶ事が可能で、どの位置に立てるか設定をすることが出来ます。中央に置けば低域が強く、スピーカの端になれば輪郭が出るような性格があります。
マイク2本立て
コンデンサのAKGのC414に見立てたマイクともう一本追加します。SM57はギターの音の輪郭を出すために、C414はアコギの空気感を出すために使ってみます。またキャビネットはオープンバックといって後ろが空いているのか、それともクローズドバックという後ろが閉じられているのか、という設定も変えることが出来ます。クローズドの方が温かみのある音になり、オープンの方がより輪郭のある音になります。ここの部分が一番重要だったりしますね。 
m太郎アンプの完成~(*^^)v
ちなみに他の人が作ったアコースティックアンプはネットで自由に試してみたりダウンロードしてみたりできます。エレキで使われるアンプに歪の少ない真空管を組み込んでみたり、マーチンやテイラーの音響特性データを組み込んでみたり、個性のあるアコースティックアンプを見ることが出来ました。


実際に音を出してみましたが、大分よくなりました。このアコースティックアンプををBias Fx2 mobileに送って使用ができるようになります。Bias Fx2 mobileでのアコースティックアンプは真空管にしてもより歪が小さくナチュラルなものの構成にしてありましたが、それでもさらにBias Ampで追い込んでさらに歪をなくしてナチュラル構成にすることが出来ます。

Bias Fx2 mobileでm太郎アンプを組み込んで使ってみましたが、音がさらに生っぽくナチュラルになりました。引っ込んでいた音が前に出るようになり、リバーブなどのセッティングをまた別に変える必要がありそうです。ただこれがいい音なのか聞きやすい音なのか、実際に会場のPAで試して微調整が必要だろうと思います。

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