ギターとしての形を成してきたL-00コピー、通称「Umbra」。ボディの姿がようやく見えてきたところで、今回は塗装から弦を張るまでの過程をまとめておきたいと思います。
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| 完成したUmbra |
黒色をどう出すか
今回の塗装は1933年型として知られる黒と白「タキシード」ですが、この配色は斉藤和義モデルとして知られています。ギターの着色自体が初めてだったので、まずは黒色をどう出すかから調べ始めました。
最初に試したのは和信工業のポアステイン。評判が良さそうだったので購入し、早速ヘッドの突板に塗ってみたのですが、サクラの突板にはなぜか色が弾かれてしまい、うまく着色できません。
そこで代わりに試したのが墨汁でした。ホームセンターで買ってきて塗ってみると、これがなかなかいい黒色を出してくれます。木目は完全に消えてしまうものの、黒の深みは市販品に劣らない仕上がりに。膠入りの墨汁を使用しています。
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| 墨汁で着色 |
トップ板はシェラックで下地を作った後、ニトロセルロースラッカーのスプレー缶仕上げで艶は半艶にして中々いい感じ。ただし問題もありました。ネックやボディのトップコートの修正で研磨しようとするとすぐに塗装部を削って下地が出てしまい、そのたびに塗り直しが発生。また梅雨時期は塗装がなかなか乾かず、修正すると木地が出てまた色を塗り直す……という工程を繰り返すことになり、想定以上に時間がかかりました。しかも乾燥が上手くいかずべたつきが無くなりません。
最終的な仕上げはZ-POXYへ
いろいろ試した末、最終的にたどり着いたのはZ-POXYでの仕上げでした。本来は導管埋めに使われるものですが、これを仕上げ塗装として使っています。
ニトリル手袋をつけて薄く塗り広げるのがコツです。硬化までにある程度時間があるので、その間に手袋でしっかり薄く伸ばしていくと表面が滑らかになり、乾燥も早い。ネックの仕上げはこれだけで十分だと感じました。おそらく市販品よりもかなり薄い塗膜に仕上がっていると思います。
ロングサドル仕様とピエゾの溝掘り
今回ブリッジはロングサドル仕様を採用。ピックアップにはフィッシュマンのPresysを使っていますが、これは棒状タイプのピエゾで、サドル溝の下に1.6mm幅の溝を彫ってピエゾ本体を埋め込む必要があります。
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| ピエゾ用に溝を別に掘る |
これがなかなか面倒な工程で、リューターで少しずつ掘り進めました。安く手に入ると思って購入すると加工にかなり苦労すると思いますし、特に後付けでの加工はまず難しいだろうというのが正直な感想です。
ナットとピックガード
一般的にナットには牛骨が使われますが、今回は見た目の雰囲気を優先して、昔のギターに時々使われていたエボニーナットを採用しました。余っていたエボニー材を削って自作しています。溝切は魚地球印の専用やすりを使用。トラスロッドカバーはマホガニー板をを着色して作成、ニッケルビスで固定。ペグはGOTOのクルーソンタイプでニッケル製の白ボタンが売っていてすかさずゲット。本来なら3連ペグですがちょっと高いので今回は断念。
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| ヘッドの様子 |
ピックガードは白、それもビンテージホワイトのギブソン用素材を購入。ベジェ曲線で型を作り、ハサミで切り抜きました。厚みもしっかりあって、なかなか良い素材だったと思います。
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| 取付けたピックガード |
ネック接合から弦を張るまで
塗装がだいたい仕上がってきたところでネックを接合。指板はタイトボンド、ヒールはボルトで締めます。
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| ネックの接着 |
その後、中心線を基準にサドル山の位置がスケール630mm+3mmになるようブリッジの位置を合わせ、1弦と6弦のピン穴を開けてタイトボンドで接着。ここでようやく弦が張れる状態になり、ギターとして音が出せるようになりました。
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| ブリッジ接着 |
音出しの感想
音を出してみると、ネットで上がっているL-00の音源とそん色ない印象です。ラインでも鳴らしてみましたが、Presysはピエゾとマイクのブレンドタイプで、単体でチューニングもでき、ピエゾ特有のクセも少なく普通に良い音が出ます。
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| Presysをサイドに埋め込み |
サドルの溝を少し掘りすぎてしまった箇所はシムを挟んでちょうどいい調整ができました。弾き語りには十分に使えるレベルで、手元でコントロールできるEQもついているので、気軽に音出しできる一本に仕上がったと思います。
引き渡した際の反応も良く、「え?これが自作?」と驚かれました。SNS上でも「これ欲しい」という声がいくつかあり、今回はなかなか良い結果になったのではないかと思います。
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| 左右の2つが自作機になります |
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