アコースティックギターを自作するには、板の厚みを精密に調整する工程が欠かせません。これまでは、
- プレーナー → 騒音が酷く、機材も高額で手が出ない
- トリマーによる平面出し治具 + ランダムサンダーで仕上げ
という方法でやってきましたが、平面出し治具は思った以上に掘削にムラがあり、トップ材とバック材をはぎ合わせたときに厚みがぴったり合わないという問題にずっと悩まされていました。
そこで発想を変え、「はぎ合わせをしてから厚みを調整する」方法を試すべく、ドラムサンダーを自作することにしました。市販品は今のところ入手困難なので、自作一択です。
YouTubeにはシックネスドラムサンダーの自作動画がたくさん上がっているので、それらを参考にしながら進めました。ちなみに木工なんて私には無理・才能はないと思っているレベルの人が一生懸命調べて作ってみました。
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| 完成したドラムサンダー |
構造は大きく2つに分解
- 正確なドラムの作成
- 昇降機能を持った土台と天板の作成
動力には、有線の電気ドリルを使用します。トリガーを固定した状態で別途スイッチを取り付ければ、オンオフの切り替えが可能です。
ちなみにこの手の機材は、ヤフオクで「電気ドリル」のキーワードで検索すると、古い機材が格安で見つかります。電動ドライバーは回転数が低くて使えないので、回転数の高い電気ドリルを選んでください。
ドラムの作成
今回ドラムサンダーを自作しようと思い立ったきっかけは、実はボール盤の購入でした。「ボール盤なんてただ穴をあけるだけの工具でしょ?」と高をくくっていたのですが、必要な場所に正確に穴をあける重要性を痛感し、中古で手に入れました。これがないと、正確なドラムは作れません。
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| ボール盤は必須アイテムでした |
軸には、ホームセンターで手に入る全ネジ棒を使う人が多いようですが、私は精度を重視して10mmの丸鉄棒を購入しました。鉄棒のカットは鉄工用刃を使いジグソーでカットしました。カット時間は5分以内で出来ました。全切ネジも楽々切ってくれました。
ドラムの素材も、合板を丸くくり抜いて全ネジに取り付ける人が多い中、私は**塩ビパイプ(PV50規格)**を採用。厚みがしっかりあり精度も高いため、面倒なドラム作成の手間が大きく省けました。パイプは長さ450ミリにカット、これがドラムの長さになります。
作り方の流れは次の通りです。
- パイプの両端に35mm程度の木栓を作る
- 木栓に鉄棒を通し、回転中に動かないようフランジを取り付ける
ここでポイントになるのが、パイプにぴったり収まり、中心を正確に通る木栓の作成です。
- 余っているMDF材でおおまかな円形を切り出す
- ボール盤で中心に10mmの穴をあける
- 鉄棒に通し、ベアリング入りの軸受けにセットして回転できるようにする
- 電気ドリルで回転させながらヤスリを当てて丸く仕上げる
軸受けの土台はツーバイ材から10cmの長さで切り出し、ボルトと埋め込みナットで着脱できるようにしています。
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| 軸受け |
昇降式の土台と天板
土台となる合板と天板(450mm×600mm)は、12mmの合板を2枚重ねて24mm厚にし、蝶番で連結。その間にツーバイ材を挟み込み、8mmの全ネジを回すことで前後に動かせるようにしています(ツーバイ材にはナットを埋め込み済み)。
全ネジを回すとツーバイ材が前後にスライドし、それに連動して天板が上下する——という仕組みです。
- ツーバイ材がスムーズに動くよう、小さなキャスターを取り付け
- 動きが傾かないよう、内側にレール代わりの薄い木材を接着
- 全ネジにはツーバイ材で作ったハンドルを取り付け、ナットとワッシャーで固定
ハンドルを回すことで全ネジが回転し、ツーバイ材が前後して土台と天板が昇降する構造です。
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| 昇降機能 |
ドラムの取り付けと仕上げ
土台と天板が完成したら、天板にサンディングペーパーを貼り、パイプの両側に取り付ける木栓の正確な円を作っていきます。
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| 木栓を正確にけずる |
パイプにちょうど収まる大きさになったところでサンディングをやめ、鉄棒を通した状態で木栓にフランジをネジ留め。パイプの両側に木栓を取り付けたら、上から動かないようネジ止めし、フランジもレンチでしっかり鉄棒に固定します。
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| フリンジを取り付けたドラム |
パイプには80番の布ヤスリを巻き付け。両面テープ(布にも対応した剥がしやすいタイプ)をパイプの両端に貼ってから、ロール状の布ヤスリを巻いていきます。
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| 布ヤスリを巻き付ける |
あとはツーバイ材で電気ドリルを固定できるようにして組み立てれば、ひとまず完成です。ここまでの手順はYouTubeにたくさん動画が上がっているので、そちらも参考にしてみてください。
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| 一旦完成 |
実際に動かしてみて — 回転数とトルクの壁
実際に動かしてみると、電気ドリルはトリガー可変で最大2400rpmまで回転しますが、最大回転だと少し速すぎる印象。かといってトリガーを緩めるとトルクが不足し、削り量がわずかになってしまいます。回転数とトルクのバランスがどうにも悪い状態でした。
電動モーターを動力源にしている人たちの例を調べると、ベルトとプーリーを使っているケースが多いようです。そこでプーリー減速を試すことにしました。最大回転数をちょうどよい速さまで落とし、トルクを稼いで削る力を上げる作戦です。
PU丸ベルトは、はんだごてで熱すれば簡単に接着できました。必要なベルトの長さは、2つのプーリー径と軸間距離から計算できるらしく、この計算はAIにやってもらいました。
最後に、削り粉が飛び散らないようドラムの周囲をMDF材で覆い、集塵機のホースに接続して完成です。
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| なんとか完成 思ったよりでかい |
削れ具合と回転方向
実際の削り量は、1回のパスでおよそ0.05mm程度(これはAIに調べてもらった目安値ですが、大体そんなものだそうです)。
ドラムの回転方向は両方試してみましたが、下から上に回転する方が扱いやすいという結果になりました。固い材はなかなか削れないので、木材を送る速さを落とすなど、それなりにコツが必要になりそうです。
まだ改良の余地はありますが、市販のシックネスサンダーが手に入らない中、こうして自作でなんとか実用レベルに近づけられたのは大きな収穫でした。プーリー比の調整やベルトのたわみなど、細かい詰めはこれからも続けていきたいと思います。
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