【自作アコギ製作記】D-18スタイルをベースに、独自の演奏性を形にする 2

前回はバック板の接着準備までをお伝えしましたが、今回はトップ板の接着から、難所であるコンター加工、バインディング、そしてダブテイルネックの調整まで一気に進めます。

1. トップ板のブレーシング接着とボイシング

トップ板のブレーシング(力木)は、25フィートのR(アール)が付いたラジアスディッシュの上で、自作のゴーバーデッキを使って接着します。このデッキはホームセンターで購入した合板と全ネジで自作したものですが、均一に圧力をかけられるため重宝しています。

これがあると便利ですね

接着後は、トップ板を指先で叩きながらブレーシングを削る「ボイシング」の作業です。削る前は「カンカン」と硬く高い音ですが、削り進めるにつれてタップ音が徐々に下がっていきます。マイクで集音し、周波数分析を行いながら、削りすぎないよう慎重に追い込みました。 YouTubeなどで公開されている熟練ルシアーのタップ音も参考にしつつ、理想の響きを探っていきます。

ボイシングの後をパチリ

2. トップ板の接着(箱締め)

ボイシングが終われば、サイド板との接着です。再度寸法を計測し、トップ板用のラジアスディッシュでサンディング。その後、ブレーシングが干渉する溝をサイド板に掘っていきます。

中から光を当て、漏れがないことを入念に確認してから接着剤を塗布。ゴーバーデッキで圧力をかけ、浮きが出ないよう固定します。乾燥後、はみ出したトップ板はトリマーで整えました。

トップ板の接着

3. コンター加工とベベルドカッタウェイの成形

今回初挑戦となった「コンター加工」ですが、あらかじめサイドに埋め込んだブロックの範囲内でヤスリを使って削り出していきます。 ここは一人のギター弾きとして、「いかに抱えやすくするか」を追求する作業。非常に楽しい工程です。ベベルドカッタウェイのブロックも、同様に手に馴染むよう整形しました。

コンター加工したところ

4. バインディングとコンターの化粧仕上げ

続いて、トリマーに専用のベアリング付きビットを装着し、パーフリングとバインディングの溝を掘ります。ボディの形状によっては溝の深さが変動しやすいため、慎重に確認しながら進めました。

バインディングはシンプルなABS素材を選定し、瞬間接着剤で固定。ボディからはみ出した部分はヤスリで面一(つらいち)に整えます。 その後、コンター部分に0.3mmの化粧板を貼り付けました。黒色の瞬間接着剤を使用することで、継ぎ目が目立たず綺麗に仕上がりました。

化粧板を貼ったところ

5. ダブテイル加工とネック角の精密調整

ネック接合は、CNCルーターで加工されたネックを用いつつ、専用治具でダブテイル(アリ溝)加工を行います。 前回同様、伝統的なアリ溝接合にボルトオンを組み合わせた仕様です。このハイブリッド構造は、接合強度を高めつつ、確実な位置決めができる非常に合理的な方法です。

アリ溝は専用治具で

難関は、指板・ボディ・ネックの3点がピタリと合う角度の微調整です。 指板を載せて長定規を当てたところ、当初は角度がわずかに足りないことが判明しました。そこでヒールの接地面を0.3mmほど削り、スクレイパーとチョークを使って平面を出しながら、コンマ数ミリ単位で調整。 ボルトオン仕様のおかげで、調整の結果がすぐに確認でき、納得のいくネックアングルを出すことができました。

最後に、指板の下部がトップ板と密着するよう、トップ板表面をサンディングして面を合わせました。板厚に余裕を持って製作していたことが、こうした細かな微調整において功を奏しました。

仮置きしたところ だんだん形になってきました


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