ギターをネットで買いましたの話

普通ギターを買う時はギターショップを巡り、あれこれと試奏してから決めるものだ、と誰もが言ってますし、ネット情報でも言っています。その通りなんだろうなと思いますが、如何せん田舎に住んでいる者にとってはあれこれショップ巡りのため試奏しに行くにも遠出しなければそのような所へ行けません。試奏も特殊テクニックで叩くことははばかられますし、時間と交通費と色々と制約がある中で焦ったりして果たしていい買い物が出来るのかそこら辺は心配になりますね。

ライブでメインで使用しているギターのうち、一本はネットで朝たまたま見つけた手工ギターをそのままポチってしまったという、一般からはあり得ない方法で買ってしまっていますが、そのまま約十年ライブで活躍してくれています。しかし、かなりボロボロになり、音痴な感じになっているのが気になり、新たなギターがないか調べました。出来るだけ情報を集めてベストチョイスをするという事です。

最近大きな買い物をしており更に40万以上のギターなどはとてもこの先手が届きそうにないので、アジア系の手工ギターに注目することにしました。

Mayson, Faith, とここらへんが10万程度でYouTubeにも多数アップされていて参考になりますね。ただピックアップは最初からついていて便利なのだけどどうしても自分で選んで取り付けたい所。

と調べていたらGriffithギターというのが目に入りました。オール単板でこれも10万ちょっとで入るけど・・・とちゃんとHPもありました。ギターに関する色々な情報があり、音源もあって良さそうに思えます。ベトナムでギターがハンドメイドで作られてそこで日本人の方が良さそうなのを選んで輸入して販売するというスタイルのようです。価格に反してスペックが驚くものであり、サイドとバックにココボロやジリコテを使っているという。希少材だし、ハカランダに近い音質で知られています。

ベトナムのギターといえばAyersが知られていますが、これも日本人のチェックが入り高品質なギターがお値打ちで手に入ります。しかし段々とスペックが上がっていき値段が少し高くなってしまいました。私の手の届く範囲外です。ベトナムのギターは日本人がチェックするならばいいものではないかと思え、材も良さそうなので外れ覚悟で思い切って取り寄せてみることにしました。TOKYOハンドクラフトギターフェスにも出展の予定だそうで、まずおかしなものはこんな所にギターを出すことはできませんのでそれが信用できることの情報の一つとなりました。それにしてもこんなことをする人はあまりいないと思いますね。

モデルはGFPC201 Rosewood 
オプションでペグはゴトーの510に替えてもらいましたが、これは正解でした。510は素晴らしいペグですね。ギアの数がもっとも多いので滑らかに正確にチューニングができます。
510が取り付けられると見た目にも満足です。ギターの全体的なデザイン的にはカッタウェイのSJ(スモールジャンボ)タイプのよくあるデザインです。


ピックアップを自分で取り付けた後での撮影です。トップ材はAAAシトカスプルース単板
フィンガーボード、ブリッジはエボニーです。ナット・サドルは牛骨です。

サイドバックはココボロ単板です。見た目にも美しいですね。
ネックは1Pマホガニーです。多くのギターはネックは形状的に一本から作ると無駄が発生しますのでいくつものパーツに分けて組み合わせて作られることが多いのですが、これは贅沢に一本から作られています。ただし下地塗装はせずラッカーのみで木目や節がそのままになっていますが、これも個性的で味わい深いもの。バインディングはメイプルです。
ロゼッタはアバロンが使われています。
このギターの特徴はバックのブレイシングにXブレイシングが二か所使われている所です。これはオリジナルですね。音量とサスティンのバランスに貢献しているとか。

ギターケースもおしゃれなハードケースがついてきました。

全体的なつくりとしては丁寧につくられているという印象です。私も日本人の手工ギターにマーチンを持っていますので比較できますが、値段が少し下な分、手工ギターでラインが3本入るところが2本だったりして、手の込みようが少し落ちているので値段が下がるというのはうなずけますが(それでもマーチンのレギュラーモデルよりは凝っているのは確かです)、そこを見なければちゃんと作られていると思います。ただトップはAAAグレードで目の良いものを使っている事は分かりますが、バックやネックの材に節が入っていたりと見た目にはグレードが若干落ちるかなという所。音には関係ない部分は材を落としているのが値段に反映されている所もありそうです。

注文から2週間ほど待ちましたが調整を上手くしてくれたのでしょう、ネックの状態も大変良く、弦高も絶妙で大変弾きやすい状態にしてくれていました。なによりピッチがきちんと合っているのでどのポジションでも気持ちよく鳴ってくれます。キラキラとした倍音が出ますね。立ちでストラップを付けて弾いてみても全体のバランスがよくて演奏の邪魔をあまりしてくれません。

外れを引きやすいネットショッピングにしては今回は大当たりだったという事です。価格も高くないので余裕ができチャンスがあれば別に欲しいと思いますね。ただし、今後ギターの木材、特に1ピースネックが季節によってどう動くのか、そこは今後注視していくところかなと思います。

追記6月8日
ココボロ材による締まった低音の出方がいいですね。音は低域よりで太い音がでるのでコード弾きよりもソロプレイやソロギター向けかなと思います。6弦が押さえ方によってはフレット落ちしやすいので若干の馴れは必要かと思います。

追記9月14日
湿度が高かった7月に若干の弦高の上りが見られました。Griffthギターさんに一度送り返してみてもらったところ、ブリッジ材の動きがあったのでしょうとの事で、サドルを調整していただきました。ネック、ボディとも問題は出ていません。ちゃんとアフターフォローしていただいて好感が持てますね。

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